「呼吸」に耳を傾けると、「心」の状態に気付ける

会議から会議へ。
返信を送ったら、また次の返信が待っている。
気づけば、画面を見つめたまま何時間も経っていた——

そんな一日を過ごしたことは、誰にでもあるのではないでしょうか。

ふと肩の力を抜こうとしたとき、自分の呼吸がずいぶん浅くなっていることに気づきます。

胸の上のほうだけで、小さく、速く息をしている。

特別に忙しかったわけでも、大きな問題があったわけでもありません。
むしろ、いつも通りの一日だったはずなのに。

もくじ

それは、疲れのサインなのか、心のサインなのか

呼吸が浅いのは、姿勢が悪いから。
ずっと座っているから。
単に、疲れているから。

そう説明することは簡単です。

けれど、本当にそれだけでしょうか。

忙しい一日の中で、私たちは知らず知らずのうちに、先のことばかり考えます。

次の予定、次のタスク、次に応えるべき期待へと意識を先に送り続けています。

AIが生まれて、世界の速度はますます早くなりました。
色々なことが「はやく」「よりはやく」目の前を通り過ぎています。

今、ここにいる自分の感覚に、意識が追いついていない。

呼吸の浅さは、もしかしたら、そのことを静かに教えてくれているのかもしれません。

呼吸と心は、思っている以上につながっている

自律神経の働きと呼吸のリズムが関連していることは、生理学の分野で広く知られています。

緊張や焦りを感じているとき、呼吸は自然と浅く、速くなりやすい。
逆に、意識的にゆっくりとした呼吸を行うことで、心身が落ち着きを取り戻しやすくなる、とも言われています。

呼吸は、心拍や消化のように普段は意識せず動いている自律神経の働きの中で、数少ない「自分の意思で変えられる」部分だと言われています。実際、ゆっくりとした呼吸を意識的に行うと、心拍のゆらぎに変化が見られ、副交感神経が優位になりやすいという報告があります。

近年注目されている「ブレスワーク」と呼ばれる呼吸法も、不安や緊張をやわらげる方向に働く可能性が、いくつかの研究で示されてきています。また、深くゆっくりとした呼吸は体内の血流を促し、酸素や栄養が全身に届きやすくなることで、心身の緊張がほどけやすくなるとも言われています。

ただし、これらは呼吸を整えれば悩みがすべて解決する、という単純な話ではありません。
呼吸は、今の自分の状態を映し出す、一つの鏡のようなものだと捉えるのが、たおとしての感覚に近いです。

私自身はレイキとも関わってきましたが、レイキの実践においても、呼吸はエネルギーを整えるための土台として大切にされています。手を通してエネルギーを感じようとするとき、呼吸が浅く速いままでは、繊細な感覚をとらえることが難しくなる。だからこそ、まず呼吸を落ち着けるところから始めます。これはこれまでの実践の中でたお自身が大切にしてきた感覚とです。

あなたの今日の呼吸は、どうでしょうか

ここで少し、手を止めてみてください。

今、あなたの呼吸は、どのあたりで動いているでしょうか。
胸の上のほうでしょうか。
それとも、もう少し深いところでしょうか。

良い・悪いを判断する必要はありません。
ただ、「今、こうなっているんだな」と、気づくだけで十分です。
呼吸は、あなたが今日をどんなペースで生きているかを、静かに教えてくれています。

今日、一度だけ呼吸を感じてみる

今日一日の中で、一度だけでかまいません。

手のひらをお腹の上に置いて、息を吸ったときにそこがどれくらい動くか、感じてみてください。

動かなくても大丈夫です。
無理に深く呼吸をしようとしなくても構いません。
ただ、感じる。それだけで、自己調律の小さな一歩になります。


呼吸は、変えようとしなくても、気づくだけで、少しずつ変わっていくことがあります。
今日のあなたの呼吸は、どんな速さで、どんな深さで動いているでしょうか。

こうした小さな気づきを、これからも言葉にして、そっと届けていきたいと思っています。

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